お口に関する話

2008年12月アーカイブ

むし歯を治さずに放置すると細菌がむし歯の穴から歯の中に侵入し感染を起こします。このため歯髄が炎症を起こし、初期には冷たい物で痛みを起こしますが、炎症が歯髄全体に広がるにつれて熱い物がしみたり、ズキズキ痛んだり、噛むと痛むようになります。さらに放置すれば細菌は根の外に出て骨が感染し、根の先に膿がたまり膿瘍ができて歯肉が腫れて熱が出たりするようになるのです。

また、乳歯のむし歯を放置すると後から生えてくる永久歯の表面のエナメル質が変形したり、正しい生え変わりに障害をきたし、正しい位置に永久歯が生えず、歯列不正を引き起こすこともあります。さらには、よく噛めないために偏食・食欲不振などから栄養不良につながり、そのことは成長期であるだけに思わぬ障害を起こしかねません。乳歯のむし歯といえどもおろそかにせず、早めの治療が大切です。「たかが乳歯のむし歯」などと考えてはいけません。

20081212a.gifのサムネール画像

むし歯は細菌感染によって起こります。細菌が糖分を使って酸を作り歯を溶かすのです。そこでむし歯の予防には次の点が重要です。

  • フッ素を応用したり、歯の溝を予防的に埋め、歯の抵抗力を高める。
  • 正しい丁寧な歯磨きで歯垢を取り除き細菌を減らす。
  • 細菌が利用しやすい砂糖の使用量を減らす。

むし歯は一度罹ってしまったら初期のものを除いて自然に治ることはなく、治療しなければなりません。しかし、最近の研究成果から科学的にむし歯のリスクを診断することが可能となり、正しい予防法さえ実行できれば大半は防ぐことが可能です。定期的な検診を習慣化して、早期発見・早期予防を心がければ、歯は一生使えます。定期検診に勝る予防法は無いのです。

汚れた歯の表面には、白い「歯垢」と呼ばれるものが付着しています。歯垢は、ある種の細菌が作ったもので、その中には無数の細菌が生きています。むし歯発生の主犯は「ストレプトコッカス・ミュータンス」と呼ばれる細菌です。この「ミュータンス菌」は、砂糖を好んで食べ、「デキストラン」というという物質を作り出して歯に付着させます。ここに歯を溶かす酸を産生する細菌が住み着いてできたのが歯垢です。つまり歯垢は「細菌の塊り」で1gあたりに約2500億もの細菌がいます。歯垢はどんどん成長し、歯の表面にたまり、酸を産生します。こうして歯が溶けていってしまいます。溶けて穴が開いたところに歯垢が侵入し再度溶かします。この繰り返しでむし歯ができます。このようにむし歯は、ミュータンス菌を主犯とする口の中の細菌が作った歯垢によって引き起こされ進行します。


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むし歯には、ミュータンス菌をはじめとする数種類の口腔内細菌が関係しています。しかし、それらの細菌がいるからといって必ずむし歯になるとは限りません。むし歯ができたり進行するには、様々な要因が関わっています。むし歯は次の四つの要因が重なった時に発症すると考えられています。

  • 歯の表面にむし歯菌が定着すること。
  • 歯がむし歯菌の攻撃に抵抗しきれないこと。
  • 砂糖などの糖分が口の中に存在すること。
  • 以上の三要因が一定時間以上持続すること。

これら四つの要因は、予防の要点でもあるのです。

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