お口に関する話

2009年3月アーカイブ

「治療だけでお口の健康を維持するのは困難。予防に優るものはない。」というのが現代歯科医療の常識です。むし歯と歯周病の2大疾病の予防に欠かせないのがブラッシングです。

ブラッシングをすることは大切なことに違いありませんが、せっかく毎日3回以上ブラッシングをしているのにもかかわらず、それでも歯周病が進行し、歯の一部が削れてしまって歯を痛めてしまっている人がいます。そんな人は、自己流の歯磨きを長年続けており、歯科医院で歯磨きを教しえてもらったことがない人がほとんどです。全ての歯の全部の面を100パーセント磨くのはかなり難しいことだといえます。

多くの人は、磨けている部分と磨けていない部分が決まっています。あなたが歯磨きに費やした時間が無駄にならないように自分にあった歯ブラシ、磨き方をかかりつけ歯科医院からアドバイスを受け、定期的にチェックを受けましょう。

一生懸命ブラッシングをしたつもりでもなかなか磨けないのが「歯と歯の間」です。細い歯ブラシの毛先でも歯と歯が接している面にはどうやっても届きません。その歯と歯の壁面を清掃するのが「デンタルフロス」です。このフロスで清掃することをフロッシングといいます。

歯ブラシで丁寧に磨いた後にフロッシングをするとフロスに磨き残しのプラークがついてきます。この汚れを確認できた人はフロッシングの重要性を感じていただけることでしょう。また、このデンタルフロスを初めて使用する方は、フロスの端と端を結び輪の状態にすると使いやすいでしょう。


デンタルフロス

バイオフィルムは粘性のある細菌膜で、その中に複数の種類の細菌が共存して複合体を形成し、固体の表面に付着した状態のものの総称です。いわば細菌が共同生活している集合体のようなものです。

バイオフィルムは自然界のいたるところで見ることができます。身近なところでは、川底の石の表面や、排水溝などのヌルヌルがあげられます。台所の流しにある三角コーナーを汚れたまましばらく放っておくと、周囲にヌルヌルとしたものが付着しますが、これもバイオフィルムです。

これらはすべて水中で細菌が繁殖しバイオフィルムを形成したもので、水で流しただけでは取れず、こすり洗いしてようやく取り除けるほど強固に付着しています。このバイオフィルムが歯の表面にも形成され、その中にむし歯や歯周病の原因菌が多数存在しています。この汚れを取り除くためにも日頃から歯のお手入れをし、かかりつけ歯科医院でのプロフェッショナルケアを定期的に受けることをお勧めします。

日常で見かけるバイオフィルムは、台所やお風呂の排水管のネバネバした部分で、細菌が菌体外多糖という物を作って堆積した非常に取りにくい細菌の固まりです。歯の表面では、プラーク(細菌)、ですが、プラークは染め出し液で濃い赤色に染め出された部分だけと思う人が多く、染め出しが弱い部分もプラークで覆われている場合もあるためプラークのことをバイオフィルムという言い方をすることもあります。

日本人の死亡率で肺炎は上位を占めています。このうち90%以上が老人で、その60%が誤嚥性肺炎と言われています。嚥下機能の低下した高齢者の場合、睡眠中に発症することも多く、口腔の細菌や逆流した胃液が誤って気管に入りやすくなり誤嚥性肺炎を起こしやすいといわれています。

そのため口の中の細菌を減少させるためには、歯肉の溝に付着した細菌を取り除くために、歯石除去などの口腔ケアが有効とされており細菌のバリアであるバイオフィルムを取り除くことが有効です。