お口に関する話

高齢者と歯科

高齢者には老人特有のからだの変化があり、そのために特徴的にむし歯になりやすいところがでてきます。また、歯科治療においても、体調の変化を常に考えながら進めていくことが必要なのです。心配事や不安なことは、是非気軽に担当の歯医者さんに申し出て下さい。

高齢者が噛めなくなると?

若い人でも、ちょっと歯が痛かったりすれば痛い歯をかばって反対側で噛もうとしたときに相当の不便さを感じることがあると思いますが、その程度で若い人の体力が急激に衰えたりはしません。しかし高齢者では自分の口から噛んで食物をとれない状況はある意味緊急事態です。どうしてそうなのか?その対策にはどうすればいいのでしょうか?

  1. 噛めない危険信号
    人間の体の細胞は60兆個といわれますが、毎日2兆の細胞が代謝され入れ替わっています。この細胞の入れ替わり速度は若い人にくらべ老人は遅くなります。細胞のもとは食事から摂取するわけですから、飢餓状態に陥れば新しい細胞をつくる材料がなくなり最後には命を落とすことになります。高齢者が噛めなくなると急速に体力や筋力が衰え歩けなくなったり、食品を飲み込めなくなるなど危険な低栄養状態に追い込まれます。
  2. 噛むことの効果
    噛むことで顎の骨や筋肉が働いて血液の循環がよくなり脳内の血流量も増加します。結果として脳細胞も刺激され運動能力や生理機能も向上します。プロ野球選手がガムを噛んでプレーするのもこのためです。高齢になっても噛む機能が維持されることで転倒骨折や認知症やうつ状態などを予防する効果があります。また、噛むことで唾液の量も維持され抗癌作用や免疫力の増強も期待できます。
  3. 高齢になっても噛めるためには
    80歳になっても20本以上歯を残して自分の歯で噛めるようにという8020運動で推奨されるように若い時からの管理が必要ですが、8020達成者は年々増加傾向にあります。その一方で多くの歯を失ってしまった高齢者の方も少なくありません。噛めるようにすることは歯科医療の究極の目標といっても過言ではありません。老いも若きも健康長寿のために歯科医院で定期メインテナンスを受けましょう。