お口に関する話

2010年2月アーカイブ

歯科治療では、歯を削って詰め物や被せ物をする場合に、最終的な製作物ができるまでの間は「仮歯」を入れます。歯科医師は苦労して患者さんのために仮歯を入れますが、時としてそのことが上手く伝わらず、患者さんはもう完成した歯が入ったと思ってしまうことがあります。今回は、そんな誤解を防ぐためにも「仮歯」について解説します。

1)仮歯の入っている状況

最終的に、完成品として入る歯は金属、硬質レジン、セラミックといった材質になります。

それに対し仮歯は耐久性や材質面でも品質は低く、一時的な使用を目的としています。削られた歯がそのままでは見た目にも実用的にも患者さんにも不都合ですからこの場合の仮歯の必要性は理解しやすいと思います。専門的には歯を保護したり、歯の位置を保ったり、歯肉の形を整えたり、かみ合わせを維持したりと仮歯には重要な役割があります。万全の準備を整え最終的な歯が入るのを待っている状況に、仮歯の大切な役目があるという訳です。

2)仮歯が取れてしまった時

仮歯には二つの役割があります。一つ目は「仮歯」はそれをお使いいただいている間は治療中の歯を保護し支えてほしいこと、二つ目は、治療が継続している間は取れてほしくはないけれども、最終的に完成品としての歯が入る時点では、その役目を終えスムーズに取れてほしいことです。

治療時に主治医の先生からも「仮歯は取れやすいので注意してほしい」等の説明があるかと思います。しかし、もし万が一取れてしまった場合は可能であれば治療を行っている先生に速やかに連絡いただき「仮歯」を再び入れてもらう必要があります。くれぐれもそのまま放置しないようにしてください。取れた仮歯をそのままにしていると、治療中の歯のむきだしの部分が破損して形状が変わってしまったり、歯が移動して隙間がなくなったり、最悪の場合は痛みが出たりとその後の治療に大きな支障が出てしまうことがあります。

痛くなってから、問題が発生してから歯科医院を訪れる。多くの患者さんはそれがきっかけで治療を開始します。治療だけして終わっていませんか?それではまた痛くなって最悪の場合歯を失います。北欧の人達は予防意識も高く歯科医院でメインテナンス管理を行い自分の歯を残しています。以下メインテナンスについて解説します。

1)メインテナンスは何故必要か?

歯が痛くなって治療を開始したり歯を抜いて入れ歯やインプラントを入れる。これらの事は決して幸せなことではありません。しかも、これには必ず原因があります。それはデンタルプラーク(歯垢)によって発生するむし歯や歯周病であり強い歯ぎしりや噛みしめも症状悪化に加担します。喫煙や偏った食事等の悪しき生活習慣も関与します。歯科におけるメインテナンスは以上の原因を取り除き健康を維持管理するために必要なものとして行われています。

2)メインテナンスは治療?

通常は歯科治療終了後にメインテナンスが行われますが治療中も歯の磨き方から始まり管理の方法を学ぶ気持が大切です。メインテナンスは治療のための治療ではなく予防のための治療ですので自己管理あってこそメンテナンスの効果はパワーアップします。メインテナンス治療の受け方として歯科治療後の再発予防を目的とする場合と最初から良好な歯の状態を維持管理することを目的とする場合があります。残念ながら後者はまだ少ないのが現状です。

3)メインテナンスの実際

メインテナンス管理では個々の患者さんのブラッシング状態を評価してむし歯や歯周病の再発などをチェックした上で歯科医師や歯科衛生士が器械や薬品を用いてクリーニングを行います。さらに必要があれば噛み合わせの微調整も行います。患者さんにはご自分の口の中がどういう状況で何に注意したら良いかをお知らせした上で次のメインテナンスに来院してもらいます。3ヶ月~半年に一度のメインテナンスをお奨めします。

4)メインテナンスの効果

メインテナンスをきちんと正しく受けることができた場合その効果は計り知れません。効果としては痛くなる確立が激減。誰もが思う嫌な歯科治療を受ける事も少なくなり歯を抜くことも減ります。メインテナンスのための通院が年単位になってくると中には当初は持ちこたえることが困難と予想された歯が残って噛めるという方もいます。私達の生涯を通じ長期で考えると健康を維持できた上で医療費も安くなるというメリットもあります。

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