お口に関する話

お口の健康維持

お口の健康を維持するためには、まず病気に罹らないための予防と、むし歯や歯周病の治療が終了してからのメインテナンスが重要です。予防とメインテナンスは、いずれも患者さん御自身が日頃心掛けるべき点と、歯科医院で受ける予防処置や指導、あるいはメインテナンスがあります。快適な食生活のため、歯科医院スタッフは、お口の健康維持を支えます。

成人の歯並びと咬み合わせについて

Q「歯並びや咬み合わせが悪くなる」という表現をよく耳にしますが、そもそも咬み合わせって?
A咬み合わせとは、上の歯と下の歯が閉じたときの接触状態を言いますが、この咬み合わせが悪くなって起こることがある症状としては、物を咬むときにあごの関節に痛みを感じたり、口を開けづらくなったりするほか、肩こりや腰痛、関節痛、あるいは、睡眠障害などにもつながることもあります。また、顔が変形して外見が変化してしまうケースもあります。咬み合わせはとても大事なものです。
Qそんなに咬み合わせって変わるもの?
A成人では、「個性正常咬合」と言いまして、その人それぞれにとって安定した歯並び、咬み合わせがあります。
Q個性正常咬合、咬合は口へんに交わると書く咬み合せと言う字ですね?
Aこれは日々変化しているといっても過言ではありません。みなさんが生活を送る中で、様々な原因によって、もともと違和感のなかった歯並び、咬み合わせがいつのまにか変わってしまいます。
Qどんなことが原因に?
Aたとえば、親知らずや、むし歯、歯周病など歯や歯ぐき自体が原因になることがあれば、歯ぎしりなどの悪習癖、食生活などが原因にもなります。いくつかその理由をご説明しましょう。まずは親知らずが原因になる場合ですが、親知らずは、年齢に関係なく出てこようとするため、前の歯を押して歯並びや咬み合わせを悪くすることにつながります。50歳を過ぎてからでも動くようなことがありまして、肩や首が痛くなったりする原因にもなります。
Qむし歯が原因となる場合は?
Aむし歯によって隣の歯や、上下相手の歯と接触しなくなりますと、歯は出てきたり、倒れたりします。さらに、食事のときに痛かったりしますと、今まで咬んでいた側と反対の歯ばかりで咬もうとします。そうするとこれまでの咬み合せのバランスが崩れて、歯並びや咬み合わせが変わってしまいます。
Q痛んだり、違和感があったりすることで、これまで咬むときに力が入っていた場所が別の位置に移動する、それにあわせて咬み合わせが変わってくるわけですね?
Aそうですね。特に気をつけていただきたいのは、詰め物や、かぶせものが外れたときです。むし歯ができた時と同じように咬み合わせのバランスが崩れて、歯の位置が変わってしまうのですが、これはむし歯の時よりさらに変化がしやすくなります。困ったことに、一度移動してしまった歯は、自然に治ることはありませんから、矯正治療して戻すしかなくなってしまいます。詰め物や、かぶせものが外れた時は絶対そのままにしないでいただきたいと思います。
Q生活習慣も咬み合わせに影響するの?
A歯ぎしりなどの悪い癖は、歯を異常に磨耗させてしまったり、歯を揺らすだけでなく、歯周病や歯の破折、知覚過敏などを引き起こします。さらに、顎の周りの筋肉を疲れさせることによって、首や肩がこる原因にもなります。目の上には側頭筋という筋肉がありまして、この筋肉が疲労すると頭痛のような症状が出ることもあります。1本の歯の咬み合わせを調整しただけで治ってしまったなんてこともありますので、原因が分からない頭痛やこりがある方は、咬み合わせを確認してみていただければと思います。
Q歯ぎしりって、自分ではなかなか気づかないことも多いですよね?
Aそうですね、家族に言われて初めて気が付くことが多いのですが、歯科医院では、歯の磨耗状態などから歯ぎしりをしていることが判ります。あまり歯ぎしりが強い場合は、保険診療で歯ぎしり防止装置を作ることもできます。
Q食生活も歯並びの原因に?
A太り過ぎたりしても顎の大きさ、形が変わりますから、歯並び、咬み合わせも変わってしまいます。最近特に問題にされるのが、極端な食事制限やダイエットです。メタボリックシンドローム対策などで、急激に食事の摂取を制限したり、ダイエットをしたりして栄養が不足すると、顎の骨の形が変わってきます。ところが、歯の大きさ、形はそのままのため、内側にある歯はもっと内側に、外側にある歯はもっと外側に移動して、歯並びがガタガタになってしまうことがあります。歯並びの変化の状況によっては、下の顎が後ろにずれてぽきぽき音がする顎関節症のような症状や、立ち上がるとふらふらしたり、一時的にある音が聞き取りづらくなるような、耳の症状を引き起こすこともあります。   40歳を過ぎてホルモン等のバランスが変わってくると、同じようなことが起こると言われていますので、注意が必要です。
Qでは、食事制限や、ダイエットをする場合、どんなことに注意すれば咬み合わせの悪化を防げるのでしょう。
A歯科の立場からは、ダイエットなどを行う前に、かかりつけの歯科医院に行って、歯周病は必ず治してから始めていただき、もし、咬み合わせがおかしいと思ったらすぐに診てもらうようにしてください。適切な食事制限は、歯や歯肉の健康のためにもお勧めできますので、是非実行していただきたいものです。
Q日頃の生活から、予防、そして治療を心がけたいですね。
Aそうですね、成人の歯並びや咬み合わせは、安定しているようで常に気をつけていないとすぐに変化します。また、入れ歯の方は、合わない入れ歯をすることで、あごがずれたり、咬み合わせが悪化したりすることがありますので、歯科医院での定期的なチェックを欠かさないようにしてください。