お口に関する話

2011年11月アーカイブ

Q 災害時においても、お口のケアは重要だそうですね?
A人は長時間にわたる疲労が重なったり、不安・緊張・恐怖が続くことで口の中の唾液の出る量も少なくなり、平常時と比べて口の中の汚れが増加します。この汚れは細菌の増殖で水や食べ物のない状況下では加速されることになり痛みの出る原因にもなります。また、ご高齢の方は体の抵抗力も衰えていますので、口の中の汚れが原因で誤嚥性肺炎を起こすと重篤な状態に陥り生死に関わることもあります。
Q誤嚥性肺炎とは?
A誤嚥性肺炎は細菌の繁殖した食べかすや唾液が誤って気管の中に入ることが原因となる肺炎です。高齢者の肺炎の中でも死亡率が高く大変に危険です。阪神大震災では長期にわたる仮設住宅生活の高齢者において肺炎で亡くなった方の多くは誤嚥性肺炎が原因でした。対策は口の中をきれいに保つためのうがいやブラッシングです。入れ歯も清潔にしておく必要があります。避難所や仮設住宅等での生活が長期化するとこの傾向は顕著となりますので特に気をつけていただきたいと思います。
Q避難所などで生活をしていると、なかなかケアをしづらいと思いますが......その場合は?
A歯ブラシがなければ水でブクブクうがいをして増殖する細菌を洗い流すだけでもある程度の効果は期待できます。ガーゼがあれば拭き取ることも良いと思います。歯ブラシがあれば水を少しつけてブラッシングをしその刺激で出てくる唾液を使って磨いてください。練り歯磨きは不要です。口の中を清潔に保つ事でインフルエンザ等の予防にもつながります。
Q感染症の予防にもなるんですね。入れ歯をしていらっしゃる方はどんなことに気をつけたらいい?
A避難時に入れ歯を紛失したり、入れ歯が破損してしまうと思うように食事がとれないことから健康状態が気がかりです。紛失された場合は歯科診療が受けられるまで待っていただくしかありません。破損している場合は壊れた部品は捨てないでください。
Q災害時に歯や歯茎に痛みが出てしまったら?
A被災地であっても歯科診療を受けられる状況であれば受診していただければいいのですが、それすらもできない状況ではまず先ほどの説明のように口の中を清潔にすることをしてください。軽い歯肉の炎症であればブラッシングだけで症状が改善することもよくあります。歯科診療を受けられるまでの間はシブミの強いお茶を口に含んだりうがい薬があればそれでうがいすることも即効性はありませんが効果は期待できます。
Qここまでのお話で、災害時にも口の中を清潔に保つことが大事、ということがわかりました。そのほかに気をつけるべきことは?
A緊張などから歯ぎしり、食いしばりが長く続くと歯が痛くなったり顎の関節が痛くなることがあります。もし自分が噛みしめていることに気がついたらそういうことはできるだけやめるように意識してください。そういったことだけで歯が痛い、凍みる等の症状や顎の関節が不調となる顎関節症を防ぐことができます。
また避難生活中は頬杖をついたり顎に負担がかかる横たわり方は注意してください。本を読んだりTVを見る際によく見られる片方の肘をついて横になる姿勢は顎の関節に好ましくありません。そういったことでも顎関節症を起こすことがありますので注意しましょう。
また、口の中が乾燥しないようにマスクをすることも大事です。