お口に関する話

2012年9月アーカイブ

Q毎日3度の食事は私たちにとって欠かせない。食事は大切な時間だが、忙しいと、つい急いで食べてしまったりする。
A生活習慣の変化などもあり、現代において食事における噛む回数が、昔に比べ激減しているといわれています。弥生時代には今の約6.5倍、戦前においても約2倍以上噛んでいたといわれています。そこで今日は、あらためて「噛むことの効果、よく噛むといいことがたくさんある」というお話をさせていただきます。
Qまず基本を押さえたい。一口の食事で噛む回数はどのくらいが望ましい?
A一口30回を目標にしてください。ただ、なかなか数えるのは大変で、食事の間中数えていることはできません。食事の始めだけでも数えてみたりして意識してみるといいと思います。
Q「よく噛んで食べる」とどのような効果が得られるの?
A大きく4つあります。
・顎の発育を促したり、味覚を発達させる。
・唾液の分泌を促し消化を助ける。
さらには
・むし歯や歯周病を予防する。
・脳を活性化し認知症を予防する。
・肥満を防止する
・・・などがあります。
Qそれぞれ詳しくうかがう。まずは、「顎の発育を促し味覚を発達させる」について。
A特に発育期において顎の成長・発育を促します。これだけが原因というわけではないのですが、顎が小さいと歯並びが悪くなりやすくなるのでよく噛むことは大切です。更に味覚を発達させます。発育期は、なるべく薄味を心がけ、よく噛んで食べると味覚が発達し、素材そのものの味がよくわかるようになります。
Q「唾液の分泌を促す。消化を助ける。」につい ても教えて。
A唾液の分泌を促すとは...
よく噛むと唾液腺が刺激され、唾液がたくさん出てきます。唾液には細菌や食べかすなどを洗い流す作用、細菌の発育を抑制する作用、免疫力を高める作用、唾液アミラーゼによる消化作用、酸性に偏った口の中を中性に戻す作用、歯の再石灰化作用、口臭を減らす作用等様々な重要な働きがあります。
A消化を助けるとは...
唾液の消化作用のほか、よく噛み砕くことによって胃腸の負担を減らします。加えて、先にお話しした歯並びと、今説明した唾液が正常に出ることで、お口の2大疾患であるむし歯や歯周病の予防にもつながる。
Q「脳を活性化し認知症を予防する」に関しては、噛むことが刺激になるの?
A噛むときには、咀嚼筋という噛むための筋肉や表情を作る表情筋が使われます。噛む回数が多いとその筋肉を使うために血行がよくなり、頭部にどんどん血液が運ばれます。また、歯を支えている歯根膜という組織や歯茎、顎自体が感覚として脳を刺激します。これらにより脳が活性化され脳の働きがよくなり認知症を予防する効果が期待できます。
Q肥満予防にもなるんですね。
A早食いが肥満の原因のひとつといわれていますが、これはいわゆる満腹中枢が働く前に大量に食べてしまうことによるものです。よく噛んで時間をかけて食べることで食事の量が減り、肥満防止になります。
Q最後に、アドバイスを。
Aなんでもしっかり噛めることは強い体作り、そして健康維持に欠かせないことです。ただ、忙しい毎日の中で大変であれば、意識だけでも改めてみてください。また、よく噛まなければ飲み込めないような食材を取り入れたり、食材を少し大き目に切ったり、火の通し方を変えるなど調理法を工夫してみるのもいいと思います。