お口に関する話

社団法人長野県歯科医師会: 2008年10月アーカイブ

歯周病を起こす原因は、歯と歯ぐき(歯肉)の間にたまった歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌です。歯周病菌が歯ぐきにダメージを与え、少しずつ歯を支えている組織を破壊していきますが、歯周病の怖さは痛みなど自覚症状がほとんどないため、気づかないうちにひどくなるケースが多く突然抜歯になってしまう可能性が高いのです。歯周病を悪化させる直接の原因は歯周病菌ですが、歯周病菌のすみかとなる歯垢をためやすい悪い生活習慣にも注意が必要です。また、健康状態が悪く、抵抗力が落ちていると、歯周病菌がさらに暴れ出しやすくなります。(下の図のように歯周病は進行の状態によって4期に分類します)歯周病の最大の予防法は、毎日のセルフケアと定期的な歯科受診すなわちプロフェッショナルケアが欠かせません。

さあ、みなさん、今日から歯周病からお口を守りましょう。

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(図をクリックすると拡大します)

[参考文献]  財団法人8020推進財団「からだの健康は歯と歯ぐきから」

妊娠中は、つわりなどで歯磨が難しくなるために口の中の衛生状態が悪くなるのに加え、女性ホルモンの血中濃度が高まります。歯周病の原因菌のあるものはその女性ホルモンを利用して増殖するため、歯肉の炎症が起きやすくなります(妊娠性歯肉炎)。

一方、歯周病にかかっている患部から、毒素や炎症を引き起こす物質が血液中に入り、胎盤を刺激すると、胎児の成長に影響を与えたり、子宮の収縮を促すなどして、低体重児出産(2500グラム未満)や早産(37週未満)のリスクが高まることが明らかにされています。
母親が進行した歯周病にかかっている場合、低体重児を出産する率が7倍以上になるといわれています。

歯周病を防ぎ、軽度のうちにしっかり治療して、丈夫な赤ちゃんを産みましょう。

[参考文献]  社団法人日本歯科医師会 健康日本21リーフレット「歯周病と全身の関わり」

タバコが癌や心臓病、脳血栓の病気など、命に関わる病気の原因になることはすでによく知られています。実は、歯周病にとっても、喫煙はもっとも大きな危険因子です。

タバコを吸うとまず直撃されるのが口の中です。歯と歯ぐきにニコチンなどの有害物質が悪影響を与えます。体の抵抗力を弱めたり、末梢の血管を収縮させ、歯ぐきの血液循環を悪くしたりします。また、タール(ヤニ)が歯にこびりついと、歯磨きでは簡単に取れず、歯垢がつきやすい環境になってしまいます。そのため、歯周病になりやすく、治りにくくなります。

歯と歯ぐきのためにも全身のためにも、また、周囲の人のためにも禁煙することは大切になります。

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[参考文献] 財団法人8020推進財団「からだの健康は歯と歯ぐきから」

歯周病が悪化して、歯周病菌が血液中に流れ込み、心臓の内膜や弁膜に障害のある方に歯周病菌が付着すると、細菌性心内膜炎という心臓病を引き起こすことがあります。その原因のほとんどが口の中にいる細菌ですので、予防には口の中を清潔に保つケアが欠かせません。
また、歯周病の原因菌が心臓を取り巻く冠動脈に感染すると、毒素や炎症を引き起こす物質が血栓を起こしやすくし、動脈硬化を進行させる可能性も指摘されています。
 血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、歯周病があれば、しっかり治療し、心臓病のリスクを遠ざけたいものです。

[参考文献] 社団法人日本歯科医師会 健康日本21リーフレット「歯周病と全身の関わり」