お口に関する話

社団法人長野県歯科医師会: 2010年5月アーカイブ

歯科治療では「自分の歯をできるだけ残したい」と患者さんが希望しても、その口腔内の状況により限界はあります。では、歯を抜いた後は一体どうするのでしょうか?

それには、抜けた歯の両隣の歯を利用してブリッジを入れる方法やインプラントという選択肢もありますが、条件が悪ければ入れ歯しかありません。そんな中で「自家歯牙移植」と呼ばれる方法があります。この方法は、歯を抜けた場所に自身の余っている歯(親知らずなど)を移植して利用します。

1)自家歯牙移植の前に

自分の歯を移植するためには移植に使われる歯の根の部分が健全に残っているかどうかが重要なポイントとなります。歯周病の進行した歯や割れた歯は移植には適しません。

また、移植するからには移植に使いたい歯を抜歯し、移植する部位に移植歯が納まるようにするために、同時に2箇所の手術が必要です。

このように、一言で歯牙移植といっても様々なバリエーションがありますので、希望される場合は担当主治医からの説明に納得してから治療を受けましょう。

2)自家歯牙移植の適応

一般的には上記2つの方法が取られます。

  • 自分の歯がむし歯で壊れて抜いた場合に、抜いた穴に親知らずなどを移植する。
  • 過去に歯を抜いている場合はその部位の骨を削った穴に親知らずなどを移植します。

3)移植後の注意点

移植後の数日間は、主治医の指示に従い手術部位の洗浄や管理が必要です。

移植歯が安定するまで隣の歯にワイヤーや接着材で止めたり、糸で歯肉に止めたりと固定が行われます。通常であれば、2週間~1ヶ月程度で固定は除去され、3ヶ月もすれば安定します。ブラッシングをきちんと行い口の中を清潔に保つことが成功への絶対条件となります。

4)自家歯牙移植が無理な場合

血液が固まらないように抗凝血剤を内服されている方や骨粗鬆症の薬を内服されている方は適応外です。他に高血圧、糖尿病などの方も要注意ですので各種全身疾患もお持ちの方は主治医とよくご相談ください。

また、物理的に骨幅が不足し移植処置に困難が予想される場合や移植に該当するドナー歯がない場合は入れ歯かインプラントの適用となります。

フッ化物を応用した治療は、齲蝕(うしょく)の予防法の一つで、歯質の強化等による利用されます。フッ素とは自然界に広く存在している元素で、人体や土の中、海水や川の水、植物や動物などに含まれています。人体の中にはカルシウムと同じく歯や骨の構成成分として含まれています。


フッ素の主な働きには、歯の質を丈夫にする働きや口の中の細菌の働きを弱める働き、出来はじめのむし歯(要観察歯)を治すという働きがあります。学校健診等で要観察歯と診断された歯に白濁したところが見られても、フッ素を作用させていくことにより滑沢な歯になるという観察結果があります。フッ素の主な働きとしては次の3つが挙げられます

  1. 歯の質を丈夫にする
  2. 口の中の細菌の働きを弱める
  3. できはじめのむし歯(要観察歯)を治すことができる

フッ素は次のようなものにも含まれています

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