お口に関する話

社団法人長野県歯科医師会: 2011年9月アーカイブ

Q 「歯周病」とは、どうのような病気なのでしょ うか。
A歯周病とは、歯と歯ぐきの間に溜まった歯垢、プラークとも言いますが、この歯垢の中にいる歯周病菌が原因となって炎症が起こり、歯を支えている歯ぐきや骨が、少しずつ破壊されていく病気です。最近では、歯周病が糖尿病、心筋梗塞、肺炎など全身との関わりがあることも分かってきました。
Q重症になると歯が抜けてしまうようなイメージがあるのですが、自覚症状としてはどんなことがあるのでしょうか。
A始めのうちは自覚症状が出にくいところがこの歯周病の怖いところではないでしょうか。多くの方は、歯ぐきが腫れて痛いとか、歯がぐらぐらして痛くて咬めないといった、痛みということで歯科医院を受診されるわけです。このような場合ですと、歯周病はかなり 進行していて、歯を支えている骨が破壊されている場合が多く、治療もかなり大変になり ます。
Q歯周病の初期の症状とは。
A歯周病の最初の段階とは、炎症が歯ぐきの所だけにある状態を言います。例えば歯ブラシをした時に、歯ぐきから血が出る、歯が少ししみる、とか、鏡でご自分の歯ぐきを見ていただいて、歯ぐきが腫れている、赤くなっているなどの症状が確認できると思います。これらの症状が思い当たる時はもちろんですが、なかなか、判りづらい時もありますので、自覚症状がなくても、健診を兼ねて、歯科医院を受診されることをお勧めいたします。
Q歯科医院ではどのように治療が行われるのでしょうか。
A当然、痛みがある場合には、その歯の痛みに対する治療を優先して行うわけですが、一旦落ち着いた状態になりましたら、口の中全体の検査から始めることになります。
Qどのような検査ですか。
A歯周病になると、歯と歯ぐきの間の溝がふかくなり、歯周ポケットという状態になります。

「歯周病とその治療」「歯周病とその治療」
出演:NHK長野放送局大下佳菜アナウンサー/県歯医療管理部齋藤彦次郎出演:NHK長野放送局大下佳菜アナウンサー/県歯医療管理部齋藤彦次郎

このポケットの深さを測定したり、レントゲン検査などが主な検査になります。
Q検査によって、歯周病の進行の程度を把握して治療に入っていくわけですね。
A歯周病の原因は歯周病菌の塊、歯垢ですから、この歯垢をなるべく減らすようにお口の中を清潔に保つこと、つまり歯ブラシによるブラッシングが一番重要ということになります。患者さんの現在の磨き方を見させていただいて、しっかり磨くことができるようにアドバイスしていきます。
Q自己流で磨いていてもだめなときもあるわけですね。
Aその通りです。よく言われることですが「磨いている」というのと「磨けている」とは違うということです。次に、歯についている歯石を取っていきます。歯石は歯垢が唾液中のカルシウムによって硬く固まったもので、歯ブラシでは取ることができないからです。
Qこれで歯周病は改善に向かうわけですね。
A初期の歯肉炎の段階ですと、これだけでかなり改善してくると思われます。しかし、歯周病が進んで、歯を支えている骨の破壊があると、さらに次のステップの治療になります。深い歯周ポケットの中の、歯の根っこの面についている歯石を徹底的に取り除くようにします。器具を使って手探りで取ることになります。ポケットが深く、どうしても取りきれない場合は手術をするときもあります。
Q大変ですね。そのようにならないためにも歯周病治療は、早期発見と日ごろの歯ブラシがとても重要ということですね。その他に注意点は。
Aタバコを吸っていると歯ぐきの血行が悪くなりますので、歯周病治療に禁煙は欠かせません。また、食生活も大切です。口の中が汚れやすい人、歯垢がつきやすい人は、食事の内容が甘いもの、柔らかいものに偏っている場合が多かったり、食事やおやつを不規則に取っている人が多いようです。