お口に関する話

お口のけが

口の中でも特に前歯はスポーツや事故などにより外傷を受けやすい場所です。「歯が折れる」「歯が抜ける」などは典型的な例です。受傷後の迅速で適切な応急処置と歯科医院での治療により生涯使わなければならない大切な歯を守りましょう。

Q一言で歯科健診といっても、年齢や健診場所など様々ありますよね。
A歯科健診には、学校健診や自治体などが行う1歳半、3歳児健診や40歳以上の方が対象で10歳毎の節目に健診の案内がある節目健診、企業や団体が行う事業所健診などがあります。
Q健診が進まない理由は?
A労働関連法に歯科健診が義務付けられていないことが理由の一つになると思います。これは、8020達成の大きな障害になっていると思われます。
平成22年に長野県歯科保健推進条例が、23年には国で歯科口腔保健の推進に関する法律が制定されました。その中には職場などでの歯科健診の機会の確保等がうたわれています。が、現実には費用の問題や罰則規定がないこともありなかなか行われていないのが現状です。
Q自分の歯を残すためにも健診は大事。節目健診の最初の年代、40歳の歯の本数はどのようになっている?
A先ほどお話しした平成22年の長野県歯科疾患実態調責では、お口の中の歯の本数(現在歯数といいます)が40歳代までの平均28.5本に比べ50歳代20.8本といきなり8本程少なくなっています。ちなみに、50歳代以降の平均では17.9本です。40代から50代の聞に8本も歯を失ってしまうわけで、これは大変なことです。
Q急激に減る原因は?
A一番はきちんとお口の管理!をされていないことだと思います。20代から30代までの方の歯科受診率、特に健診やブラッシング指導など予防的なものに対する受診率の低さ。(20代男性では受診率1%に満たないのが現実です。女性でも1.2%) 歯を失う原因は30代まではむし歯が、40代からはそこに歯周病によるものが加わります。歯周病の発病は20代から始まりますので、40代以降に歯を喪失しないためには20代からの管理が非常に大切になります。
この年齢の皆様に是非、定期的な歯科健診を受診していただきたいと思います。また健診で問題が見つかった場合はもちろん治療をしていただきたいですし、問題がなかった方でも、次の1年無事でいるために、お口の管理方法のアドバイスを、かかりつけ歯科医にうけていただきたいと思います。また、事業者の皆様には、就労者の方々の健康管理のために是非、歯科健診を取り入れていただきたいと思います。
Q最後に、もうすく東日本大震災から、2年となる。歯の治療をせずにいることは、大規模災害時にも問題になる。
A東日本大震災のような大きな災害では、避難所などでの集団生活等、普段と遠う環境におかれます。そういうストレスからお口の中に問題を起こす方が非常に多いということが分かっています。これらはその後に起こる全身疾患とも、非常に関係が深いといわれています。普段からの管理でそれを防げますし、問題が出てきても管理方法さえわかっていれば酷くならずに治すことができます。また、あってはならないことですが、意識不明の方や不幸にもお亡くなりになった方の身元の特定にお口の中の情報が非常に役に立ちます。これはDNA鑑定と同様に正確でかつ早くできます。そのためには対象になる資料がなければなりませんし、新しいもの、更新されたものがあることがとても大切です。
Qスポーツによる口の中のケガは多いのでしょうか?
Aスポーツで歯を折ったり口の中を切ってしまうことは、良くあることです。ある統計によると顎、口、顔の領域の外傷の原因として多いのは交通事故、転倒、転落で、その次にスポーツによる外傷が多いとされております。
Qそこで怪我の予防のためにマウスガードを着用したほうが良いと。一体、どういうものなのでしょうか?
A皆さんにお馴染みのものとしては、ボクシングの選手が口の中に付けているマウスピースといえば判りやすいのではないでしょうか。マウスガードとは口の中に装着して、スポーツによる衝撃から歯やその周囲組織を守り、外傷を予防する、装着物ということです。厚さ、2,3mmの軟らかいビニールの衝撃吸収剤からできています。
Qマウスガードを装着することで、どの程度歯や口を守ることができますか?
Aアメリカンフットボール選手の調査によると、60パーセント近くの選手に見られた口や顎の外傷の発生率を、マウスガードの装着により5パーセント以下に抑えられたという報告があります。
Q具体的にはマウスガードを装着することでどんなケガを予防できるのでしょうか?
Aマウスガードは上の歯、全体を覆うように装着します。ですから、スポーツによる衝撃を吸収、分散することによって、1.歯が折れたり、脱臼(歯が抜けること)、2.唇、舌といった口腔軟組織の裂傷、3.顎の骨折などを予防します。また、顎の関節への衝撃を軽減させたり、脳しんとうの予防効果などがあります。
Qどんなスポーツでマウスガードの装着が推奨、薦められていますか?
A装着が義務付けられているのは、ボクシングやラグビー、アメリカンフットボールといった選手同士が激しく接触するいわゆる、外傷の可能性が高いコンタクトスポーツです。また、装着が義務化されていないスポーツでも、野球やバスケットボール、サッカーといった競技人口が多いスポーツにおいても歯、口の外傷が多く見られます。ボールが前歯にあたって歯が折れたり、脱臼したり、また相手選手のひじや頭が歯とぶつかることで受傷することが多く見られます。最近人気のスポーツでは、スノーボードで着地する時に上下の歯を強くぶつけて受傷することもあります。
今、多くのスポーツでマウスガードの着用を勧めて、スポーツによる外傷を予防していくことが必要だと思います。
Qマウスガードはどのように手に入れたらよいのでしょう?
Aスポーツ店や量販店などで既製品を購入することはできます。しかし、既製品は必ずしも自分の歯にぴったり合うわけではありません。装着した時の異物感が強いとか、かみ合わせが不十分な時もあるようです。やはり、かかりつけの歯科医院で作ってもらうのが良いでしょう。歯科医院ではその人の歯型を取って製作しますから、装着感がとてもよく、競技中に息苦しいとか発音しづらいといったことが少なく、かみ合わせもしっかり調整することができます。
Q(マウスガードを装着せずに)もし、歯が折れたり、抜けてしまったらどのようにしたら良いでしょうか?
A歯が抜け落ちても、再植という方法によって元通りに戻すことができる場合があります。抜けてしまった歯の根についている組織を傷つけないように、専用の保存液に入れて急いで歯科医院を受診しましょう。もし、保存液がない場合には生理食塩水や牛乳に漬けるか口の中に歯を含んで、とにかく乾燥させないことが大切です。
Q歯のけがでみえる患者の傾向は?(患者の傾向を教えてください。)
A年齢とともに歯が割れてしまう方が多くなり、低年齢であるほど脱臼が多くなります。
Q肩の脱臼は聞くが、歯の脱臼って?!
A肩の脱臼は肩の関節が外れる症状。歯の場合は、歯の根と骨をつなぐ組織が切れたり切れかかることで、歯が抜け落ちてしまう。抜けないまでも、歯の位置がずれたり動くといった症状がでます。
Q歯が動く程度の症状でも脱臼なの!?
A脱臼の中には、歯のずれや歯肉からの出血がほとんど見られず、わずかに歯がぐらつく程度のものがあります。症状が軽いとされた歯でも、1カ月くらい過ぎて灰褐色に変色してくることがあります。
Q変色する原因は?
A歯への衝撃で歯の神経が切新されて組織が死んでしまう現象によるものです。
Q放っておくとどうなるの?
A歯の根が溶けたり膿をためたり、将来歯を残すことができなくなる恐れがあるので早急な措置が必要です。
Qもし、歯が完全に脱臼して抜け落ちてしまったらどうしたらいい?
A歯が抜け落ちても、再植によって保存できる場合があります。歯が抜けて短時間で再植が行われ、抜けた歯の状態が良いと、元に戻りやすいといわれています。
Qその場合、歯をそのまま歯医者さんに持っていけばいい?
Aここで注意!再植で重要なのが、歯の根についている組織(歯根膜)を落とさないことです。抜けた歯が泥で汚れていると、洗い流して歯を持ってくることが多いですが、このときは水道水で洗い流さず、牛乳や生理食塩水で簡単に汚れを落とす程度にして持ってきてください。
Qその他に持っていくときの注意点は?
A脱落した歯は乾燥させないように、牛乳などに浸すかラップに包んで病院を受診してください。ラップに包めば1時間、牛乳に入れれば6~12時間ほどは細胞がいい状態で保存されます。さらに、歯の保存液に漬けてあれば1、2日は大丈夫です。
Q歯のけがをしないための予防策は?
Aスポーツのとき、頭部や顔面にヘルメットやプロテクターを装備、または口腔内にマウスガードを装着するよう心掛けて下さい。

お口のけがの種類では、前歯に傷を受ける場合が特に多く見られます。傷の程度によって、ぐらぐらと揺れるようになってしまったり、場合によっては歯が折れてしまうこともあります。

歯は通常、歯茎から見えている頭の部分と骨に植わっている根の部分からなります。けがにより、歯が割れずに歯の根っこごと完全に抜け落ちてしまう場合があります。これを「歯の脱臼」といいます。

2013年6月>>

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