お口に関する話

むし歯(1)

「むし歯は日本の常識、世界の非常識」という言葉があります。WHOの評価によれば、日本のむし歯は依然として他の先進諸国に比べて、2~3倍のむし歯の数で、東欧・中欧諸国と同レベルにあります。乳歯のむし歯も、同様に高レベルにあります。たとえば、3歳児のむし歯保有者の割合をスウェーデンと比較すると、スウェーデンが5%に対して日本は50%前後で、10倍近くの開きがあるのです。

汚れた歯の表面には、白い「歯垢」と呼ばれるものが付着しています。歯垢は、ある種の細菌が作ったもので、その中には無数の細菌が生きています。むし歯発生の主犯は「ストレプトコッカス・ミュータンス」と呼ばれる細菌です。この「ミュータンス菌」は、砂糖を好んで食べ、「デキストラン」というという物質を作り出して歯に付着させます。ここに歯を溶かす酸を産生する細菌が住み着いてできたのが歯垢です。つまり歯垢は「細菌の塊り」で1gあたりに約2500億もの細菌がいます。歯垢はどんどん成長し、歯の表面にたまり、酸を産生します。こうして歯が溶けていってしまいます。溶けて穴が開いたところに歯垢が侵入し再度溶かします。この繰り返しでむし歯ができます。このようにむし歯は、ミュータンス菌を主犯とする口の中の細菌が作った歯垢によって引き起こされ進行します。


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むし歯には、ミュータンス菌をはじめとする数種類の口腔内細菌が関係しています。しかし、それらの細菌がいるからといって必ずむし歯になるとは限りません。むし歯ができたり進行するには、様々な要因が関わっています。むし歯は次の四つの要因が重なった時に発症すると考えられています。

  • 歯の表面にむし歯菌が定着すること。
  • 歯がむし歯菌の攻撃に抵抗しきれないこと。
  • 砂糖などの糖分が口の中に存在すること。
  • 以上の三要因が一定時間以上持続すること。

これら四つの要因は、予防の要点でもあるのです。

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<<2013年6月>>

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