お口に関する話

むし歯(2)

皆さんの中で、治療の終了していないむし歯がある人はいませんか?たとえ痛みがなくても、むし歯が進行し、より重篤な疾患に移行することがあります。近年、児童のむし歯は減少していますが、全年齢層では、平均1本前後のむし歯が治療されず放置された状態です。むし歯は風邪などの病気と異なり、自然治癒がありません。放置すると激しい痛みを生じるようになります。さらに放置すると、次第に痛みは引いていきますが、むし歯が治ったわけではないのです。

むし歯を治さずに放置すると細菌がむし歯の穴から歯の中に侵入し感染を起こします。このため歯髄が炎症を起こし、初期には冷たい物で痛みを起こしますが、炎症が歯髄全体に広がるにつれて熱い物がしみたり、ズキズキ痛んだり、噛むと痛むようになります。さらに放置すれば細菌は根の外に出て骨が感染し、根の先に膿がたまり膿瘍ができて歯肉が腫れて熱が出たりするようになるのです。

また、乳歯のむし歯を放置すると後から生えてくる永久歯の表面のエナメル質が変形したり、正しい生え変わりに障害をきたし、正しい位置に永久歯が生えず、歯列不正を引き起こすこともあります。さらには、よく噛めないために偏食・食欲不振などから栄養不良につながり、そのことは成長期であるだけに思わぬ障害を起こしかねません。乳歯のむし歯といえどもおろそかにせず、早めの治療が大切です。「たかが乳歯のむし歯」などと考えてはいけません。

20081212a.gifのサムネール画像

むし歯は細菌感染によって起こります。細菌が糖分を使って酸を作り歯を溶かすのです。そこでむし歯の予防には次の点が重要です。

  • フッ素を応用したり、歯の溝を予防的に埋め、歯の抵抗力を高める。
  • 正しい丁寧な歯磨きで歯垢を取り除き細菌を減らす。
  • 細菌が利用しやすい砂糖の使用量を減らす。

むし歯は一度罹ってしまったら初期のものを除いて自然に治ることはなく、治療しなければなりません。しかし、最近の研究成果から科学的にむし歯のリスクを診断することが可能となり、正しい予防法さえ実行できれば大半は防ぐことが可能です。定期的な検診を習慣化して、早期発見・早期予防を心がければ、歯は一生使えます。定期検診に勝る予防法は無いのです。

<<2013年6月>>

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