お口に関する話

歯周病(1)

歯周病とはどんな病気? 歯周病とは歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜といった歯を支えている歯周組織に炎症が起こるなどして、最終的には歯が抜けてしまう病気です。歯がこの歯周組織にしっかり支えられているから、おいしいものを食べたり、楽しく話しをすることができます。 厚生労働省の調査によると、日本人の80%以上が、なんらかの歯周病に罹患しているという結果がでています。近年この歯周病と全身の病気との関わりがわかってきました。

Q歯周病は口の中だけの問題ではなく全身と深い関係があるそうですね?
A歯周病には毎日のケアと定期的な歯科健診が欠かせません。しかし、ケアをしていてもなかなか歯肉の炎症が治まらない場合は健康状態や生活習慣に何か問題があるかもしれません。高血糖や喫煙の習慣が歯周病を悪化させている可能性があります。
Q高血糖というと糖尿病を患っている方も多い。特に注意が必要?
A糖尿病があると歯周病が進行しやすく治りも悪くなることが知られています。血糖値の高い状態が続くと、タンパク質に糖が結合したものが血液中に増え歯肉もその影響を受けて炎症が悪化しやすくなるので、血糖値の良好なコントロールが大切です。健康診断で血糖値が高いと言われたら、食生活や運動不足に注意するとともに歯科医院で歯周病チェックを受けましょう。
Q他にも、喫煙の習慣は歯周病を悪化させるのですか?
A喫煙の習慣があると、歯周病が進行するリスクは 2 ~ 9 倍に高まることがわかっています。タバコは高血糖と並んで歯周病を悪化させる 2 大危険因子といってもよく、タバコをやめなければ歯周病の治療を受けても効果が得られにくい場合があります。
Q歯周病は全身にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?
A歯周病は細菌感染による慢性の炎症です。細菌の作る毒素や炎症を引き起こす物質が患部から血液中に入り、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。
Q具体的にどんな影響がありますか?
A歯周病は心臓病・肺炎・早産などのリスクを高めることもわかってきました。まず、血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方、また心臓に不安のある方、歯周病は心臓病のリスクを高める可能性があります。心臓の内膜や弁膜に障害がある方に見られる細菌性心内膜炎はその原因のほとんどが口の中にいる細菌ですので予防には口の中を清潔に保つケアが欠かせません。
Q早産については?
A妊娠中は口の中の衛生状態が悪くなりがちなのに加え、女性ホルモンの血中濃度が高まります。歯周病の原因菌のあるものは女性ホルモンを利用して増殖するため、歯肉の炎症が起きやすくなります。母親が進行した歯周病にかかっている場合、低体重児を出産する率が 7 割以上になるとも言われています。
Q肺炎については?
A特に高齢者の注意が必要。食べ物を誤って気道に入れてしまい歯周病の病原菌など口の中の細菌が肺や気管支に感染するケース(誤嚥性性肺炎)は寝たきりのお年寄りに多く見られます。家族や歯科医師・衛生士とも協力し口の中のケアを続けましょう。
歯周病は口の中だけの問題だけではなく全身と深い関わりがあります。健康を維持するため口の中のケアを常に心掛けたいですね。

歯周病を起こす原因は、歯と歯ぐき(歯肉)の間にたまった歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌です。歯周病菌が歯ぐきにダメージを与え、少しずつ歯を支えている組織を破壊していきますが、歯周病の怖さは痛みなど自覚症状がほとんどないため、気づかないうちにひどくなるケースが多く突然抜歯になってしまう可能性が高いのです。歯周病を悪化させる直接の原因は歯周病菌ですが、歯周病菌のすみかとなる歯垢をためやすい悪い生活習慣にも注意が必要です。また、健康状態が悪く、抵抗力が落ちていると、歯周病菌がさらに暴れ出しやすくなります。(下の図のように歯周病は進行の状態によって4期に分類します)歯周病の最大の予防法は、毎日のセルフケアと定期的な歯科受診すなわちプロフェッショナルケアが欠かせません。

さあ、みなさん、今日から歯周病からお口を守りましょう。

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(図をクリックすると拡大します)

[参考文献]  財団法人8020推進財団「からだの健康は歯と歯ぐきから」

妊娠中は、つわりなどで歯磨が難しくなるために口の中の衛生状態が悪くなるのに加え、女性ホルモンの血中濃度が高まります。歯周病の原因菌のあるものはその女性ホルモンを利用して増殖するため、歯肉の炎症が起きやすくなります(妊娠性歯肉炎)。

一方、歯周病にかかっている患部から、毒素や炎症を引き起こす物質が血液中に入り、胎盤を刺激すると、胎児の成長に影響を与えたり、子宮の収縮を促すなどして、低体重児出産(2500グラム未満)や早産(37週未満)のリスクが高まることが明らかにされています。
母親が進行した歯周病にかかっている場合、低体重児を出産する率が7倍以上になるといわれています。

歯周病を防ぎ、軽度のうちにしっかり治療して、丈夫な赤ちゃんを産みましょう。

[参考文献]  社団法人日本歯科医師会 健康日本21リーフレット「歯周病と全身の関わり」

タバコが癌や心臓病、脳血栓の病気など、命に関わる病気の原因になることはすでによく知られています。実は、歯周病にとっても、喫煙はもっとも大きな危険因子です。

タバコを吸うとまず直撃されるのが口の中です。歯と歯ぐきにニコチンなどの有害物質が悪影響を与えます。体の抵抗力を弱めたり、末梢の血管を収縮させ、歯ぐきの血液循環を悪くしたりします。また、タール(ヤニ)が歯にこびりついと、歯磨きでは簡単に取れず、歯垢がつきやすい環境になってしまいます。そのため、歯周病になりやすく、治りにくくなります。

歯と歯ぐきのためにも全身のためにも、また、周囲の人のためにも禁煙することは大切になります。

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[参考文献] 財団法人8020推進財団「からだの健康は歯と歯ぐきから」

歯周病が悪化して、歯周病菌が血液中に流れ込み、心臓の内膜や弁膜に障害のある方に歯周病菌が付着すると、細菌性心内膜炎という心臓病を引き起こすことがあります。その原因のほとんどが口の中にいる細菌ですので、予防には口の中を清潔に保つケアが欠かせません。
また、歯周病の原因菌が心臓を取り巻く冠動脈に感染すると、毒素や炎症を引き起こす物質が血栓を起こしやすくし、動脈硬化を進行させる可能性も指摘されています。
 血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、歯周病があれば、しっかり治療し、心臓病のリスクを遠ざけたいものです。

[参考文献] 社団法人日本歯科医師会 健康日本21リーフレット「歯周病と全身の関わり」