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家庭の医学辞典

歯の健康相談

かしこいお母さんの乳歯管理(3)



カリカリちやん運動のすすめ

「カリカリちやん」とは、果物や生野菜、漬け物のように、カリカリと歯ごたえのある食品のことです。 軟らかくても繊維質の豊かなものは、すべてカリカリちやんということになります。
これらのカリカリちやんを十分に咬むことによって、歯についた食べかすが自然にとれ、 口の中がきれいになってむし歯にもなりにくくなります。これは結局、むし歯の発生要因となる食品を、 「咬むこと」により自然に除去し、むし歯の進行時間の経過を断つということなのです。
むし歯を予防するには、食品の組み合わせがとても大切で、その点、ごはんやおやつのあとにカリカリちやんを食べると、 歯についている食べかすがとれ、ブラッシングをしたと同じような効果があります。
同時に果物や生野菜は、ビタミン類を多く含む、体のためにとても大切な栄養食品です。ですから、 ごはんやおやつの最後にカリカリちやんを食べることは、むし歯を防ぐためばかりでなく、 子どもの発育のためにも欠かすことのできないものなのです。カリカリちやんを食べたあとにブクブクうがいをすると、 より効果的です。
なお、「カリカリちやん運動」は、県歯科医師会会員の神津文雄先生が提唱されたものです。


カリカリちゃんの使い方(乳幼児用)

カリカリちゃん

離乳期の前期

後  期

1歳~2歳

3歳~6歳

さ ゆ

食後おさじで

食後のおぶう

食後のおぶう

食後のおぶう

リンゴ

ジュース・おろし(無糖)

おろし・薄切り(無糖)

皮むき

皮むき

ミカン

ジュース・押しぼり汁(無糖)

実ほぐし(無糖)

袋ごと

袋ごと

夏ミカン

 

実ほぐし(無糖)

実ほぐし(無糖)

袋むき

イチゴ

 

押つぶし(無糖)

丸ごと(無糖)

丸ごと(無糖)

ブドウ

 

むき身

むき身

丸ごと

スイカ

 

ほんの少々

少々

適 宜

メロン

 

少々

適 宜

適 宜

おは漬

 

 

みじん切り・細切り

細切り・普通

たくわん

 

 

薄切り

普通

キュウリの塩もみ

 

 

たたき切り

そのまま

1歳以上

グレープフルーツ、サクランボ、モモ、ネクタリン、ネーブル、 ビワ、ナシ、パイナップル、洋ナシ、キンカン、カキ
6歳-アンズ、スモモ

トマト

ジュース、うらごし

押しつぶし、みじん切り

生のまま

生のまま

ホウレン草

うらごし

みじん切り、あら切り

あひたしのまま

おひたしのまま

小カブ

うらごし、煮つぶし

軟か煮、ごく薄切り

細切り、サラダ、漬物

漬物、サラダ、生のまま

ダイコン

うらごし、煮つぶし

煮つぶし、軟か煮

細切り、サラダ、漬物

生、漬物、サラダ

キャベツ

 

軟か煮の押しつぶし

生みじん切り、サラダ、漬物

漬物、サラダ

ニンジン

 

おろし、煮物

サラダ、(みじん)煮付

生サラダ

ナ ス

 

煮付つぶし

煮付、漬物

煮付、漬物

ウグイス菜

 

軟か煮

軟か煮

軟か煮

1歳以上

フキ、キュウリ、ウド、二十日ダイコン、切干ダイコン、赤カブ、レンコン、ピーマン、レタス、パセリ、カリフラワー、豆モヤシ、芽キャベツ、ネギ、タマネギ、シイタケ、サラダ菜、ハクサイ、ダイコン葉、たくわん、なら漬、梅漬、一夜漬
3~6歳-ワラビ、ゴボウ、サヤインゲン、ラッキョウ、タコノコ




3歳までの歯科健診と指導

現在、乳歯のむし歯は著しく減少傾向を示しています。これは、 お母さん方が子どものむし歯に対して意識を高め、低年齢時期からのむし歯予防に努力されている結果 ともいえるでしょう。
同時に、歯の健康管理をしていくためには、定期的な専門医による健康診査が必要です。 その診査によって現時点での健康状態をつかみ、異常を把握して早期に適切な対処をしていくことに なります。その意味で、乳児健康診査における歯科指導、1歳6ヵ月児および3歳児健康診査での 歯科診査と指導は、きわめて重要な役割をはたしているといえます。
妊娠中から、丈夫な歯をもった赤ちやんを産む努力と勉強をしてほしいことはいうまでもありません。 そして、生まれたあとには、これらの健康診査と歯科指導を、 お母さんの子どもに対するむし歯予防実践がうまくいっているかどうかの「指標」 にしていただきたいと思います。



5歳まではお母さんがお手伝い

大人のように自分で歯ブラシを使えるようになるのは、普通3~4歳からで、 それまではお母さんがしっかりと磨いてあげることが必要です。
3歳をすぎると、子どもに自立心が芽ばえ、自分でやろうとするようになっていきます。 こんなときには、家族全員で歯磨きをする時間帯をつくってみるとよいでしょう。 できるだけ、食べたあとすぐ、「その場で磨く」ようにするのが適切です。
自分で歯ブラシをもって口の中に入れられるようになると、 大人のまねをして歯ブラシを動かすようになります。この時期に、 ブラッシングの感覚や技術を少しずつ身につけるように訓練していくわけですが、 子どもは汚れを完璧にとり除くほど器用にはできないものです。そこで、まず自分でやらせたあと、 必ずお母さんのチェックと、磨けなかった部分の仕上げをしてあげることが必要になってきます。 幼稚園や保育園に行くようになると、昼間は手伝えなくなりますので、 夜寝る前に十分この「仕上げ磨き」をしてあげてください。
お母さんによる歯ブラシのお手伝いがスムーズにいくには、 やはり赤ちやん時代からの習慣化が大切で、いきなり始めても子どもはいやがってしまうものです。 最近、小さな子どもが歯ブラシをくわえたまま遊んでいて転んでしまい、 ほっぺたやのどに折れた歯ブラシが突き刺さるという事故がいくつか報告されています。 とても危険ですので、歯ブラシをくわえたままで遊ばせたりしないようにしてください。 座ってのブラッシングが一番安全です。
歯磨き剤についての質問が最近よくありますが、これは使っても使わなくてもかまいません。 フッ素入りの歯磨き剤には、ある程度のむし歯予防効果がありますが、 その薬効に期待しすぎるのは問題です。歯磨きの本来の目的は、 歯ブラシの毛で歯のまわりの汚れをとり去ることなのですから、 主体は歯ブラシによる機械的な「プラーク(歯垢)の除去」にあります。 歯磨き剤は、あくまでもその補助的なものと考えてください。したがって、大量に使う必要はなく、 ほんの少しで十分です。
大切なのは、少なくとも5歳くらいまではお母さんによるお手伝いが必要だということです。 これは、親子のスキンシップの場にもなる有意義なひとときともなることでしょう。 愛情をもって、子どもの歯をむし歯から守ってあげてください。



6歳臼歯がはえてきたら


「6歳臼歯」とは、永久歯の中で一番最初にはえてくる「第一大臼歯」の別名で、 普通6歳ころにはえてくるのでこう呼んでいます。通常、幼稚園年長期ころからはえ始まります。 卒園時には約半数の子どもに見られ、残りの半数は小学校に入学してからということになります。
この6歳臼歯には、歯科医学的にみると3つの重要な点があります。

  1. 咬み合わせの中心となり、永久歯の歯並びを決定する基礎となる。
  2. すべての永久歯の中で最も大きく、咬む力が一番強い。この歯を1対失うと、 咬む能率が21パーセントも減少するといわれるほどである。
  3. 永久歯の中で、最もむし歯にかかりやすく、 はえてくる途中でむし歯になってしまうことが少なくない。
こうした意味からも、この歯を守ることは、6歳をすぎてからの最重要課題となり、 その後の歯の健康のかなめともなるものなのです。
ところで、どうして6歳臼歯はむし歯になりやすいのでしょうか。
  1. このころにはもうお母さんの手を離れていて、気がつかないことが多い。
  2. 乳歯の奥からはえてくるので、歯ブラシが届いていないことがある。
  3. はえる途中で、手前の第二乳臼歯との段差があって磨きにくい。
  4. はえる途中では、まだ歯ぐきの弁をかぶっているので磨きにくく、汚れがたまりやすい。
  5. 上下4本が同時にはえてくることはなく、それぞれ時期を違えて出てくるので、 画一的なブラッシングでは汚れを十分にとることができない。
  6. 乳歯に比較すると複雑な溝が多く、 6歳臼歯に焦点をしぼったブラッシングをしないと汚れがとれない。
などの点があげられます。
子どもさんが6歳に近づいたら、これらの点を十分に注意してあげてください。 このころには6歳臼歯がはえてくることを子どもに伝え、そのはえ始めをお母さんも一緒になって発見してあげましょう。 子どもは自分の体のことについて非常に興味をもちますから、子ども自身に発見させて、その大切さを教え、自覚をもたせて、 むし歯予防を実践することが大切です。同時に、「自分の健康は自分で守る」という教育が必要でしょう。



はえかわり期のむし歯予防


永久歯へのはえかわりは、通常6歳前後から始まって、 12?13歳までにはほとんどの子どもが永久歯列にかわり、中学生時代にその完成をみます。 このはえかわりの時期には、口の中は乳歯と永久歯が混在し、 かなり複雑な状態になっています(これを混合歯列期といいます)。
「6歳臼歯がはえてきたら」の項でも述べましたが、はえ始めは乳歯との間に段差が生じて、 とても磨きにくい状態となります。特に、隣り合う面に汚れがたまりやすくなり、 また放置された乳歯のむし歯が隣り合っていると、、永久歯はことごとくむし歯になってしまいます。 この時期には、特にていねいなブラッシングが必要ですが、乳歯が健康であることとともに、 むし歯があった場合には事前にきちんと治療しておくことが大切です。
 このように、永久歯のむし歯予防は乳歯のそれときわめて関係が深く、その意味で、 乳歯列期→混合歯列期→永久歯列期という継続的な注意が必要です。
 はえたばかりの永久歯がもうむし歯、などという悲劇を防ぐためにも、 お母さんの注意をお願いしたいものです。


中高生時代のむし歯予防

中学校にあがると、もう子どもの歯を注意して見てあげるという機会がほとんどなくなってしまうのが 現状です。「自分の体は自分で守る」という意識がしっかりとできあがり、 リズムある生活習慣と正しいブラッシングを習得していれば問題はないのですが、行動も多様化し 、受験を間近にひかえていたりすると、生活習慣が乱れ、 歯にまでは注意がいかなくなることが往々にしてあるようです。 特に、食欲旺盛な時期でもあり、中高生ともなると自分の小づかいで缶ジュースや某子類 を買い食いしている光景をよく見受けます。また、受験期には夜食をとるという習慣もでてきます。
せっかく今まで守ってきた歯も、 このような時期になると急速にむし歯になってしまう危険性が非常に大きく、 お母さんのそれまでの苦労も水の泡ということになりかねません。
この時期になると、「これは食べてはいけない」とはいいにくいでしょうから、 本人の自覚をうながし、最低限「食べたらすぐ磨く」ことを習慣づけさせてください。 命令するのではなく、「自分の体のためにブラッシングする」という意識をもたせることが大切です。
また、中学や高校でも学校歯科健診がありますから、むし歯の報告を受けたら、 早めに歯科医院に行って治療させるようにしましょう。
食生活の面でも、スナック菓子やインスタントラーメン等の加工食品を、 自分の意志でたくさん食べるようになります。お母さんが夜食をつくってあげるときには、 食品の組み合わせをよく考えて、栄養バランスのとれた、 むし歯になりにくい献立を考えてあげてほしいものです。 加工食品には、軟らかく、歯につきやすいものが多いので、生野菜をまぜたり、 飲み物を添えるなどの工夫が必要です。



定期健診のすすめ

公的に行なわれる歯科健康診査(健診)には、1歳6ヵ月児、 および3歳児健診と幼稚園・保育園での園児健診、 そして小・中・高校生時代に毎年1回以上行なわれる学校歯科健診があります。
これらの健康診査では、むし歯の発見と治療勧告が主体ですので、 個人的な相談や指導にまではとても手がまわりません。健診の時期になると、 学校でもらった健診結果の紙をもった子どもたちが歯科医院にあふれる光景がよく見られますが、 どうしてもっと早く来なかったのかと残念に思われて仕方ありません。 1年近く前にでき始めたむし歯は、相当に進行していることが多く、 なかにはもう手遅れというケースさえあるからです。
本気で歯の健康を守ろうとするならば、やはり専門医の診査と指導が必要ですが、 公的な健診だけではたりないように思われます。早期発見・早期治療を心がけるためにも、 公的な健診以外に、定期的な健診を受けることをおすすめします。大人の場合、 公的な健康診査はほとんどありませんから、こうした自主的な健診はなおさら必要ではないのでしょうか。
 定期健診では、次のような点を確認し、必要に応じた指導や治療を行ないます。 ①新たなむし歯はないか
  1. 治療した歯にむし歯が再発していないか
  2. 歯並びに問題はないか
  3. ブラッシングが上手にできているか
  4. 歯ぐきに問題はないか
  5. 予防措置が必要か
  6. 食生活に問題はないか
幼児期の定期健診は、乳歯がむし歯になりやすく進行もきわめて速いことから、 3~6ヵ月に1度くらいの間隔で行なうのがいいでしょう。 特に、6歳臼歯のはえる時期とはえかわりの時期には、様々な歯科的問題が生じることが多いので、 頻繁にこれを行なう必要があります。



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