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家庭の医学辞典

歯の健康管理

障害者と歯科治療



障害者と社会

心身障害児(者)とは、一般社会で生活する上でハンディを背負っている人を表わす社会的な用語であり、身体障害者、精神障害者等を合わせると、全国で350万人の障害者がいることになります。

この世の中に、およそ完全な形で生を受けて生まれてくる者はいません。障害がないということは、目に見えないだけの話なのです。たとえば、生きる者としてまぬがれえない老化は、様々な面で社会的な適応性が低下することにほかなりません。障害は、このように、すべての人にとっての問題として考えていかなければなりません。

障害のない人々と一緒に、障害をもつ人たちが混在している社会こそが正常な姿だといえるでしょう。障害をもつ人たちの心からの願いは?、

  1. 教育・就職・医療等に、障害のない人と同じ機会が得られること。
  2. いたずらに甘やかされないで必要なときには手を差しのべられること。
  3. 障害のない人も、障害のある人の立場にたって、同じ人間として「ともに生き、学び、育つ」という心がまえをもち、平等に生きていける社会であってほしいこと、などでしょう。

障害をもつ人々の身になって、できるだけ温かい手を差しのべてあげたいものです。


障害者とむし歯

「障害児はむし歯になりやすい」というのは事実に反します。

長野県歯科医師会では、在宅重度心身障害児と施設入所者の歯科疾患実態調査を行ない、次のように報告しています。

心身障害児は、一般的に、

  • むし歯になっている率は一般の人とほぼ同率。
  • むし歯を治療してある率は低い。
  • むし歯の程度がひどく進んでいる。
  • 多量の歯石、歯垢がついている人が多い・・・。

重症なむし歯になっている障害児が多いのも確かである半面、注目すべきは、心身障害児通園施設の子どもたちがむし歯になっている率は、一般の幼児とまったくかわらないばかりか、10歳以下の子どもの場合には、むしろ一般児童よりも約10%も低いということです。寝たきりの重度障害児でも、口の中がピカピカの子どももいるのです。これは、施設などで、規則正しい生活がなされているからなのでしょう。

心身障害者は、日常生活の中で、口の中の健康に不利な条件がいくつもあり、「むし歯になりやすい」「口が臭い」「唾液の流出量が多い」などと思われがちですが、これらはいずれも、心身の障害そのものが原因なのではなく、長期間放置されていたために二次的に発生したものなのです。

障害児は、「むし歯になりやすい」のではなく、「むし歯になるとひどく進んでしまう」といえそうです。むし歯を完全に治療したら口臭もよだれもなくなった、という例は数多いのです。

むし歯は、自然には治ることのない特徴的な病気ですから、むし歯の早期発見・早期治療こそが、障害をもつ人にとって一般の人の場合以上に、何より大切なことといえます。

すべての人に丈夫な歯が必要なことは当然ですが、特に障害者には健康な歯を欠かすことができません。歯の病気は、健康への影響がきわめて大きく、むし歯の進行は体力を著しく衰えさせるからです。


障害者とむし歯予防

どんな障害者の方でも、手が自由に使える人は一般の方と何ら予防法はかわりありませんが、手を使うのが不自由な方には、家庭の人、あるいは補助者がめんどうでもお手伝いしてあげるようにしてください。

一般の人の場合と同様に、15歳前後までの期間の予防対策が最も効果的でかつ重要です。

むし歯を発生させるのは、「むし歯の原因菌」「歯をとりまく環境=特に甘いもの(砂糖)」「歯の質」の3つの要素が「時間の経過」に重なってできることは、一般の場合とまったくかわりありません。これらの原因をとり除くために、以下の3つの方法によって対処してほしいものと思います。

1.歯磨き

食べたら磨くこと。補助者が手伝い、仕上げ磨きをしてあげましょう。なお、歯磨きは、心身障害児の発育上、口唇や舌の筋力強化や機能改善にもつながる重要な意味をあわせもっています。

2.甘味の適正摂取

いろいろな飲食物やおやつには、想像以上の砂糖が含まれていることを理解しましょう。できるだけ規則正しい食生活を習慣づけるとともに、歯にくっつきにくいものを選び、食べたら必ず歯磨きをするようにしましょう。偏食傾向が見られる場合もあり、よりバランスのとれた食べ物の摂取にいっそうの配慮が必要です。

3.歯質の強化

歯を丈夫にする食べ物を選びましょう。程度が軽い障害の場合、歯質を強化するフッ素をぬってもらうことも有効です。

むし歯予防と同時に、歯周病の予防にも注意しましょう。咬む力が弱かったり、食べ方が上手でない場合や、治療していないむし歯が多かったりした場合には、口の中が不潔になりがちで、さらにむし歯が進行したり、歯周疾患にかかりやすくなります。

この歯周疾患の予防法は、歯磨きの励行と定期的な歯石の除去などであることも、一般の場合とまったく同じです。


障害者歯科治療相談医制度とは

歯科治療をなかなか受けにくい環境にある身障者のために、長野県歯科医師会は全国に先がけて「障害者歯科治療相談医制度」を昭和61年1月に発足させました。

これは、障害者の歯科診断と治療をスムーズに行なうために、相談医を設けて地域における障害者歯科保健を堆進し、行政および家庭との連携を密接にもちながら障害者の歯科治療を行なう基幹病院の円滑な運営をその趣旨とするものです。

相談医には、長野県歯科医師会の全員で、障害者治療実技研修を修了した者、ないしはそれと同等の能力を有する歯科医師があたっています。

この障害者歯科治療相談医は、次のょうな役割をはたしています。

  1. 障害者の健康相談、治療と地域の保健対策の立案に参画する。
  2. 年一回の講習会に出席し研修する。
  3. 相談医から基幹病院へ、また基幹病院から相談医へと患者の紹介が行なわれ、適切な治療とその能率化をはかる。

相談医は、長野県歯科医師会ょり認定を受け、障害者の治療だけでなく予防等に関しても相談にのっていますが、障害や症状の程度によってすぐに対応できないケースには、基幹病院へ適宜紹介することになります。

治療を希望する場合には、郡市地区の歯科医師会または県歯科医師会に連絡し、相談医への紹介を受けるか、以下の基幹病院へ連絡してください。

 

 ◆障害者の歯科治療を行なう基幹病院

  ・長野赤十字病院(電話026-226-4131)
  ・佐久市立浅間総合病院(電話0267-67-2295)
  ・松本歯科大学(障害者歯科学講座)(電話0263-52-3100)
  ・昭和伊南総合病院(電話0265-82-2121)

 ◆障害者の歯科治療を行なっている歯科医師会

  ・飯田下伊那歯科医師会館(電話0265-24-5791)

 ◆長野県歯科医師会(電話026-222-8020)




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