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家庭の医学辞典

歯の健康管理

覚えよう、正しいブラッシング(1)



どうして歯を磨くのか

動物たちは、なぜむし歯にならないのでしょうか。 動物の食生活には、砂糖がほとんど含まれていませんし、 火を使わないので、食べ物自体が歯ブラシの役目をしてくれているからです。 とはいえ、最近のペットブームで、 家で飼われている動物たちにもむし歯や歯槽膿漏が見られるようになってしまいましたが。
現代生活の食事は、火を使って硬いものを軟らかくした上に、 味をよくするために砂糖もふんだんに使用しています。その結果、 食べ物が口腔内で停滞しやすく、口の中にいる細菌たち(特にミュータンス菌)は、 適温37度前後のエアコンのきいた豪華なマンション(すなわち歯)で「3食つきの快適な生活」 を送ることになるわけです。こうして細菌たちが増殖し、酸や毒素を発生することによって、 歯を溶かし、また歯肉に炎症を起こして、歯を支えている骨まで溶かしてしまいます。 まるでシロアリたちが家をむしばんでいくようです。

こうした恐ろしい細菌が、口の中で住みにくくなるよう、 いつも清潔な状態を保つために歯磨きをする必要があるのです。


「磨いている」「磨けている」とは違う

歯科医院に訪れる患者さんに「歯を磨いていますか」とたずねると、 必ず「毎日磨いています」と自信たっぷりの答えが返ってきます。それなのになぜ、 むし歯や歯槽膿漏になるのでしょう。それは、「磨いている」のに「磨けていない」 場所がたくさんあるからです。しかも、磨けているかどうかを確認することがむずかしいのも事実です。 すなわち、毎日手さぐりの状態で、口の中にあるたくさんの歯を磨いているのです。 実際には、それぞれの歯の形も違えば、磨く方向も違います。

そこで、少しでも磨けているかどうかを確認するために、 まず次のことをさっそくやってみてください。

  1. 鏡を前に置いて、自分の口の中を見てみましょう。 自分の歯の数も形も知らない人がたくさんいます。よく確認しておきましょう。
  2. 口の中は暗いものです。明るいところで、 懐中電灯を用意するのもいいでしょう。自分の歯の数、形、歯並び、歯肉の色を覚えましょう。



いつ磨くのか-その場磨きのすすめ

食事のあと、必ず歯を磨く習慣のついている人も多いことでしょう。 しかし、朝の忙しいときに、時間をかけて十分に磨いているかどうかは疑問です。 また、昼食後、職場で歯ブラシをしている人を見かけるのは、むしろ稀なことです。 疲れてろくに磨かずに寝てしまったり、主婦ともなれば子どもの世話や食事のあと片づけに忙しく、 歯磨きも忘れがちになってしまいます。

そこでおすすめしたいのが、「その場磨き」です。その場磨きというのは、 歯磨き剤も何もつけないで、文字通りその場で歯磨きをすることです。 お風呂の中でボーッとしているとき、あるいはテレビを見ているとき、 自動車に乗って交通渋滞で車が動かないとき、信号待ちのときなど、 時間や場所を選びません。寝たきりの人もベッドの上でできます。 また、その場磨きでは、うがいも口をゆすぐ必要もありません。 唾液が水や歯磨き剤のかわりをしてくれます。唾液には殺菌作用もあり、 これを利用しない手はありません。

歯ブラシには、キャップつきのもち運びの便利なものが出ていますので、 これをハンドバッグやポケットにいつもしのばせておく習慣をつけましょう。 その場磨きが終わったら、 都合のよい時間に歯ブラシを洗って風通しのよい場所に保管しておくといいでしょう。

もう1つ、その場磨きのメリットは、長い時間歯磨きができる点です。落ち着いて、 しかも座ったまま磨けるため、歯磨きに集中でき、 いちいち洗面所に行って口をゆすぐ必要もないのです。

さっそく今日から始めてみてください。



汚れはどこにつきやすいか

乳歯の場合

乳歯の場合、特に汚れやすい部位は次のところです。
  1. 歯と歯の間
  2. 歯肉と歯の境目
  3. 咬む面の溝
汚れがつきやすいところというのは、むし歯になりやすい箇所ということですから、 お母さんが歯磨きを十分にしてあげる必要があります。

乳歯から永久歯にはえかわる時期

乳歯と永久歯が混在しているはえかわりの時期には、 汚れやすい部位はとりわけ多くなります。咬み合わせに参加している歯は、 食事をすることで自然にきれいになり、またブラッシングもしやすいのですが、 これに対して、咬み合わせに参加していない部分は、汚れやすく、また自然にもきれいにならず、 歯ブラシの毛先もあたりにくくなります。


永久歯の場合

基本的には乳歯と同じですが、 永久歯の場合、汚れやすい順に列記すると以下のようになります。

  1. 歯と歯が接する面と歯肉との境目
  2. 咬む面の溝の部分
  3. 内側の部分、特に歯肉との境目の部分
  4. 親知らず(智歯)

 ほとんどの人の場合、第二大臼歯までしか咬み合わせに参加していません。 したがって、この親知らずは非常に汚れやすく、 その周囲の歯ぐきを腫らしてしまうことも多いのです。

  1. 歯列不正の部位
  2. 歯が抜けているところと隣り合わせの歯
  3. 義歯のバネがあたる歯の部分やブリッジの下の部分

自分では磨けていると思っていても、 おそらく30%程度しか磨けていないという場合が少なくありません。 それほど汚れのつきやすい、磨きにくい部分があるのです。 まして歯が1本でも抜けてしまうと、汚れる部分が一段と増加します。 また、歯並びの悪い人も同様なことがいえます。

一番大切なことは、自分の口の中で汚れやすい部分をまず知ることです。 人それぞれに口の中の環境が違いますので、ぜひ歯科医院でブラッシングの指導を受けてください。 自分に見えない部分を知ることができます。 また、1日1回は、鏡で歯と歯肉の状態を観察する習慣をつけてください。




歯ブラシの選び方

歯ブラシには、形や大きさ、植毛の質や硬さなどの違いによっていろいろな種類があります。 また、年代に応じて、乳幼児用、学童用、成人用なども市販されています。

 歯ブラシを選ぶに際しては、以下の点を参考にしてください。

  1. 植毛はナイロン製のものがよいでしょう。狸毛などは、軟らかすぎ、 また植毛が密であるために不衛生になりがちで、おすすめできません。
  2. 小さめのもので、自分の歯の2本分程度を力バーできる大きさが目安です。
  3. 歯列不正のある人は、なるべく小さな歯ブラシを選びましょう。 磨きにくい部分にも届きやすく、歯ブラシを縦に使っての有効なブラッシングができるでしょう。
  4. 歯肉に炎症があって赤く腫れているような場合には、ナイロン製で軟らかい2列植毛のものを選び、 症状が軽減してきたら2列、4列の普通(Mサイズ)程度にかえていくとよいでしょう。

 一度かかりつけの歯科医院で、どのような歯ブラシが自分に一番合っているのか、 あるいは現在使用している歯ブラシでよいのかどうか、相談されることをおすすめします。




歯磨き剤のつけすぎに注意

歯磨き剤(ペースト)は、ブラッシングの効果をあげるために、 あくまで補助的に使うものです。歯磨き剤の効果を期待するあまり、 ペーストをたくさんつければよいというものではありません。 歯磨き剤のさわやかな香りと爽快感だけで磨いたつもりになっては、むしろ逆効果です。




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