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家庭の医学辞典

歯の矯正

歯並びと咬み合わせ




三歳児の指しゃぶりは歯並びに影響するか

三歳児健診のときに、歯の咬み合わせを見て「指しゃぶり」を指摘しますと、ほとんどのお母さんはびっくりします。指しゃぶりによって、ちょうど指の収まる特有のかみ合わせになってしまうお子さんが少なくありません。上の乳歯が前方に押し出されたような状態になってしまいます。

指しゃぶりをしている間はこのような悪い歯並びの状態でいますが、指しゃぶりをやめて、口の周りの筋肉や舌の働きが正常になってくれば、正しい歯並びに戻っていきます。

ここで、指しゃぶりについて述べてみましょう。三歳児では、10%以上の子供たちが指しゃぶりをしているといわれています。

すでに生まれる前の胎内で指しゃぶりをしている写真も発表されています。
おっぱいを吸うことは哺乳類の本能で、この「吸綴(きゅうてつ)本能」がなければ、人類も生存することができません。

指しゃぶりの原因について諸説がありますが、はっきりしたことはわかりません。放置しておいても大部分の子供は5歳くらいまでには自然にやめていきますのであせることはありません。3歳ごろまでに無理やりやめさせる必要はありません。

しかし、小学校に入学してもまだやめない場合は、当然永久歯に悪い影響がでてきますので歯科医院で相談して何らかの処置を考える必要が出てきます。

 



乳歯が残っていて永久歯がはえてこない

小学生のお子さんをもつお母さんから、永久歯のはえる時期についての質問を受けることがよくあります。
同年齢のほかのお子さんと比べて歯のはえかわりが遅れていることを心配されているのでしょうが、一般的には、はえかわり(これを「歯の交換」といいます)が半年や1年ぐらい遅れても、発育の遅れや異常があるとはいえません。

永久歯胚(あごの骨の中にある永久歯)がきちんと存在していれば、多少の時期の遅れがあっても気にされることはありません。
しかし、ごく稀ですが、次に挙げるような異常がある場合には、注意が必要です。

1)先天的に永久歯がない場合

2)過剰歯(余分に多い歯)があって永久歯のはえかわりを妨げている場合

3)幼児期に口の周囲を打撲したことがある場合

4)乳歯のむし歯がひどい場合

1)と2)は先天的異常で、起こる部位が特定されている傾向にあります。
3)と4)は後天的に起こるもので、特に3)では打撲の位置が悪いために永久歯胚が骨のなかで逆立ちしてしまい(逆性埋伏)、まったくはえてこない場合もあります。

いずれの場合にも、レントゲン検査によって診断が正確にできますので、心配なときには歯科医院で相談してください。
 
乳歯を抜歯して埋伏した永久歯を矯正治療によって改善した症例


不正咬合の種類、治療期間、費用


不正咬合とは、歯並びや咬み合わせが正常ではないものをいいますが、一般的に多く見られる不正咬合には、次のようなものがあります。

1)反対咬合ー「受け口」ともいわれ、上と下の歯の咬み合わせが逆になっているもの。

2)上顎前突ー上の歯が突き出していて、口唇を閉じることができないようなもの。

3)過蓋咬合ー上の前歯が下の前歯を覆っているために深い咬み合わせなっているもの。

4)開咬(かいこう)-3)とは逆に、臼歯が咬んでいても前歯が開いてしまっているもの。

5)乱杭(くい)歯ー歯並びの著しい乱れのあるもの。「八重歯など」

6)交叉(こうさ)咬合ー臼歯の咬み合わせが左右どちらかにずれているもの。

 これら不正咬合の治療時期について明記することはとても難しいのですが、その不正咬合が舌や筋肉の悪い習癖による場合や治療が成長・発育を利用して行われる場合などは、早期から治療が必要となります。
すべての治療が早期に開始するわけではありませんが、不正咬合を発見したら、なるべく早く矯正治療の心得のある歯科医院で相談することが賢明でしょう。

費用は、唇顎口蓋裂と骨格性を伴う下顎前突症などの特別の場合を除いて、現在保険の給付はありませんので、矯正治療に入る前に、きちんと説明をきいて自由診療の費用に関する約束(契約)をしたうえで治療を依頼してください。


歯並びが悪いことによる障害

きれいに並んだ白い歯と、ひきしまった歯肉の見える口もとは、健康美の表玄関です。
美しい歯並びは美容上の問題だけでなく、全身の健康にとっても大切なことです。
歯並びが悪いと、いろいろな障害がおこります。
その主なものを挙げてみましょう。

1)食べ物を咬みくだくことができないため、著しい偏食の原因になります。

2)顔面の正しい成長が妨げられます。
正しい歯並びのもとで食事をすると、その力は顔や顎の正しい発育をうながします。しかし、左右で均等に咬めないような不正咬合の場合、片方だけで無理に咬むことによって、顔がゆがんで成長し、変形した顔になってしまいます。
その場合、「顎関節症」といって、顎の関節にも異常をきたし、物を咬むことができないばかりか、全身にも予測しがたい様々な症状をひき起こすがあります。

3)発音にも影響があります。

4)むし歯、歯周病になりやすい。

歯並びの悪い場合、口の中の食べかすがスムーズに流れにくいため、歯垢(プラーク)がたまりやすく、細菌の絶好の「すみか」がいたる所にできます。
歯磨きをしたつもりでも、なかなかきれいになりません。

以上のような健康上の影響のほかに、心理的な影響も見逃すことはできません。
人前に出るのがいやになったり、極度の劣等感によって性格にひずみが起こった例もあります。


八重歯は治せるか


現在の矯正治療はとても進歩しており、「八重歯」も心配なくきれいに治すことができます。
八重歯というと多くの場合、上顎の「糸切り歯」(犬歯)がとびだしている 状態をさしています。

本来、乳歯から新しくはえかわる永久歯は、きちんと並ぶように顎の骨もそれなりの大きさをもっているのですが、現代人の顎が軟食傾向の食生活の変化によって顎の発達が悪い傾向にあります。

そのため、永久歯の交換が遅い犬歯は、すでにその場所を占領されてしまい、仕方なく外側に飛び出してくるわけです。
顎の骨が発達しない原因として、昔と比べて子供たちの食べ物が著しく軟らかいものに変わっており、咬むことに力を入れる必要がないため、顎の発達が悪いと考えられています。

具体的な治療方法については、矯正治療を行っている歯科医院で相談してみてください。

一般的には、糸切り歯の生えてくる時期は小学5~6年生ごろです。
成人の場合でも治療が可能です。治療の前後を比較してみると、その劇的な変化に驚くほど美しく治ります。


出っ歯は治せるか

「出っ歯」というのは、「上顎前突」(じょうがくぜんとつ)と呼ばれ、上あごの前歯が著しくとびだしている状態をいいます。

この場合、上唇が無気力な感じになって筋肉も軟らかく口を閉じている事が苦労に感じます。
下の前歯は上顎の口蓋(硬い粘膜の部分)の粘膜を咬んでしまい、上下の前歯が咬み合うことができずに、上の前歯だけがとびだしています。

さらに、上の前歯の歯肉が露出してしまうため歯肉炎を起こしやすく、見た目も悪いため悩んでいる人も多いようです。

このような不正咬合も現代の矯正治療の技術をもってすれば、もちろんきれいに治療することができます。

治療時期は、小学校1~2年生くらいの早い時期に開始する場合もありますが、たいていは乳歯から永久歯にすべてはえ変わってから、小学校6年生前後に行われます。成人になっても治療可能です。

矯正治療は計画的に進めますので、途中で嫌になったからといってやめることはできません。必ずきれいに治りますから、辛抱強く治療してください。


受け口は治せるか

「受け口」というのは、上下の歯の咬み合わせが逆になっているもので、「反対咬合」ともいいます。
反対咬合には、大まかに分類すると2つのタイプがあります。
1つは骨格性のもので、もう一つは機能性のものです。

前者の骨格性反対咬合は「下顎前突症」ともいわれ、顔の骨格そのものに異常があり、上顎骨に対して下顎骨が著しく大きい場合です。遺伝的要素も考えられます。

これに対して、後者の場合の「機能的反対咬合」は、顎の大きさに異常がなく、歯の生えている角度(方向)に異常があったり、咬んだときに下顎が前方にに移動するために起こる「反対咬合」のことをさします。

治療法ですが、後者の機能的反対咬合の場合、一見難しそうな治療でもきちんと治ります。
これに対して前者の骨格性反対咬合の場合には、矯正治療だけでは治せないこともあります。

思春期の急激な成長によって下顎骨が伸びて一旦矯正治療で反対咬合が治っても後も後戻りしてしまう場合もあります。

しかし、このような場合でも、外科手術によって矯正治療を併用することで治すことができます。

この分野の外科手術は、入院を伴いますが、かなり進歩しており劇的な治療成績をあげています。
手術の時期は、成長が完了した18歳前後からで入院期間は、3~4週間必要になります。

学校健診やお母さんがお子さんの反対咬合を発見したらその時点で歯科医院で相談することをお勧めします。

 



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