お口に関する話

メタボリックシンドロームと歯周病

よく噛むことで肥満防止になるのでしょうか。
なります。噛むことによる肥満防止のメカニズムも分かってきています。脳内にある神経ヒスタミンという物質が食欲を抑え、エネルギーを消費させる働きを持っています。この神経ヒスタミンは、噛むことで活性化することが分かってきました。「一口30回噛む」ことは、肥満防止法として、厚生労働省「保健指導における学習教材集」で取り上げられています。
最近はやりのメタボリックシンドロームの防止にも噛むことはとても重要です。噛むことで肥満を防止し、歯周病の予防が動脈硬化や高血糖の予防につながるのです。

ページの先頭へ

心疾患と歯周病

歯周病が原因で心筋梗塞になるというテレビ番組をやっていたのですが、本当ですか。
本当です。歯周病がひどくなると歯肉の炎症がとても強くなり、簡単に細菌が歯肉の血管に入り込んでしまいます。こうして、細菌がたやすく体中を回るようになるのですが、こうした細菌が血小板と反応して血管壁にこびりつくようになります。こうして心臓の血管が狭くなってくると狭心症となり、完全に詰まってしまうと心筋梗塞になるのです。

ページの先頭へ

糖尿病と歯周病

歯周病を治せば糖尿病も軽くなるって聞いたのですが。
はい。歯周病と糖尿病はお互いに影響し合っています。糖尿病の人は免疫力が低下して歯ぐきの炎症がおこりやすくなるため、糖尿病によって歯周病が発症し、さらに悪化させると言われています。逆に歯周病がひどいと、TNF-αという炎症性物質が作られ、これがインスリンの働きを妨げて糖尿病を悪化させるといわれています。

ページの先頭へ

たばこと歯周病

歯医者さんに、「たばこをやめないと歯周病はなおらない」と言われたのですが、本当ですか。
その通りです。たばこにはいろいろな有害物質が含まれており、特にニコチンは歯肉の血管を収縮させることによって、血行が悪くなり、炎症が深く進行することになります。歯周病の治療をしても、血液循環が悪いので、なかなか治療効果が現れません。
たばこを吸っています。歯肉が黒く見えるのですが、どうしてでしょうか。
たばこを吸うことによって、メラニンという黒い色素がたくさん生産されるからです。たばこの煙に含まれる一酸化炭素やニコチンなどがメラニンを分解する物質を抑制し、ドーパなどのメラニンを作る物質を促進するからです。たばこをやめると数ヶ月でかなり色素沈着が改善されます。

ページの先頭へ

女性のからだと歯周病

妊娠5ヶ月です。最近、歯肉からの出血が気になるのですが。
妊妊娠した女性は歯肉炎になりやすいことが知られています。歯ぐきがブヨブヨして出血しやすくなります。これは一つには、つわりなどのために、歯が磨きにくくなるために起きます。また歯肉の周りから出る体液(歯肉溝滲出液)にエストラジオールやプロゲステロンといった女性ホルモンが含まれ、それが特殊な細菌(Prevotella intermedia)を繁殖させることによっても起こると言われています。
妊娠中の歯周病がおなかの赤ちゃんに影響するって聞いたのですが、本当ですか。
その通りです。歯周病は低体重児出産(出生時2500グラム以下)や早産と深いかかわりをもっています。大規模な疫学調査によると、高齢出産は低体重児出産にはほとんど影響がなうようでした。逆に飲酒癖のある妊婦の場合は飲酒しない妊婦に比べて3倍となり、また、母親が中等度から重度の歯周病に罹患している場合は、歯ぐきが健康な人に比べて7.5倍も低体重児を出産していることが分かったのです。歯周病の炎症で出てくるプロスタグランジンなどの物質が胎盤を収縮させ、歯周病原菌の毒素が血流を介して胎児の成長に悪影響を及ぼすと考えられています。

ページの先頭へ

認知症と歯周病

よく噛むとぼけ防止になるって聞いたのですが、認知症にもいいのですか。
ものをしっかり噛む刺激が脳に伝わり、脳を活性化することが知られています。プロ野球選手が、ガムを噛みながらプレーをする姿を、テレビで見ることがありますが、これも精神を集中させる一つの方法です。噛む刺激が歯根膜から脳に伝わり、アセチルコリン(学習能力に深く関わる伝達物質)を増やすのです。
アルツハイマー型認知症は、このアセチルコリンの量が減ることが原因の一つと考えられています。また、残存歯数とアルツハイマー型認知症との関係も最近注目されています。アルツハイマー型認知症の人のほうが、健康な人より残っている歯が少ないのです。
歯周病菌は動脈硬化を促進しますので、歯周病の予防が動脈硬化のリスクを減らし、脳血管性の認知症のリスクを減らすことにもつながります。

ページの先頭へ

肺炎と歯周病

口腔ケアをすると、肺炎が防げると聞いたのですが、本当ですか。
本当です。だれでもわずかな誤嚥は、ときどき起こしていると言われていますが、特に高齢者や障害者は嚥下機能や咳反射などが低下しているためかなりの頻度で起きることになります。この時、口の中にばい菌がいっぱいあると、それがそのまま肺に入り込み、肺炎をおこしてしまうのです。口腔ケアによって、お口の中を常にきれいにしておけば、誤嚥をおこしてもばい菌があまり肺に入らず、肺炎を起こしにくくなるのです。

ページの先頭へ

戻る